会社は突然潰れることがある。そうなった時、失業保険は1週間ほどで貰えるのだが、次の仕事を見つけるまで行き場に困ることが多い。1日中ハローワークへ行ったり面接に行くわけにもいかないので、基本的に毎日暇になる。自宅にずっといると、近所から働いていないんじゃないかとか、変な噂が立ったりする。都会ならまだしも、地方の場合は閉鎖的な地域もあるので、失業者は何かと怪しい目で見られ、何か近くで泥棒とかの犯罪が起きると、疑われて面倒なことに巻き込まれることもある。だからと言って、昼間に歩いて散歩していたり、自転車で近くをウロウロしていると、何処からともなく警察官やパトカーが近づいてきて、頻繁に職務質問をされる。老人でもなく若者でもない中高年が、昼間にブラブラと自転車に乗っていると、何も悪いことをしていないのに、目を付けられるので注意が必要である。
では、失業者は平日の昼間はどこに行けばいいのか。
1.職業訓練校
職業訓練校に通うのが勉強にもなるし一番時間が潰れていい。地域にもよるが、大体9:00ごろから15:00ごろまでは時間を潰せる。職業訓練校はハローワークで申し込めばいい。ただし、試験があるので、それに合格しなければならない。算数や国語程度の問題なので、よっぽど勉強が苦手でない限りは大丈夫だろう。数か月から半年まで様々なコースがある。注意しなければいけないのは、講座によっては暗黙の年齢制限のようなものがあることだ。例えばIT関係のマネジメントコースなどは大体35歳以上は、いくら試験の成績が良くても合格できない場合がある。そもそも周りが20代ばかりのところに40代50代が入るのは、ちょっと無理があるだろう。職業訓練校に通っている間は、失業保険の受給期間が通っている間に切れたとしても、卒業するまで延長されるし、交通費や昼食代が支給されるところもある。ポリテクセンターが近くにあれば、そこに通うのがよい。設備もしっかりしており、食堂も完備されている。就職相談までしてくれるので、色々と面倒見がいい。ただ、ポリテクセンターの場合は知能検査のような試験が課せられるところもあるので、事前の準備が必要になる。これについてはまた別の機会に紹介しよう。職業訓練校に通ってから帰りにハローワークに寄るなどのコースを取って、夜暗くなってから自宅に帰れば、周りに失業していることがばれなくて済む。
2.図書館
近くに図書館があれば、そこで1日中過ごすこともできる。大きな図書館だと、食堂がついていたり、自習室があったりするので、資格の勉強などで時間を費やせばよい。最近はパソコンの持ち込みができるところが多いので、イヤホンと(ヘッドホンだと遊んでいるように見られるので注意)スマホを持っていけば、テザリングでインターネットを楽しむこともできる。DVDを借りれたり視聴するコーナーもあったりするので、結構充実している。ただ、最近はコロナの影響で貸し出ししかやっていないところも多いので、事前に調べておく必要がある。ここでも注意点がある。自分の体験であるが、割と都会にある、区が運営している図書館の、自習室を利用していた時である。周りは10代から20代の若者がほとんどであった。部屋に入って10分も経たないうちに、突然図書館の事務方の人が入ってきて、「たった今、図書館にメールで『自習室でパシャパシャ写真を撮っている人が来たので何とかしてほしい』という問い合わせがありました。誰ですか、すぐに出ていってください」と言うのである。「そんな人は誰もいないし、今来たのは自分だけど、勉強していただけなので、関係ないし」と思っていたら、周りの若者がみんな自分の方を見ているのである。「えっ、自分が疑われている」と直感で感じた。そういえば、最初自習室に入った時、何か女子高生の異物を見るような変な目線を感じた。社会人も利用できる自習室なので問題ないのだが、恐らく女子高生が異物を追い出すために、図書館に陰険なクレームのメールを流したのだろう。完全に異物扱いにされていると思ったが、ここで「そんなことをやっている人はいません」と言うのも変だし、自分が部屋に入る前にそういったことがあったのかもしれないし、直ぐに出ていくのも自分が何か犯人だと言っているようなものなので、1時間位なぜか針のむしろに座っているような時間を潰し、部屋を出た。図書館を出る時も図書館の事務方からは、汚いものを見るような目つきで追うように見られ、完全に何か疑われていると思いながら、図書館を後にした覚えがある。図書館の自習室を利用するときは、他に中高年がいるかどうかを見て、若者特に女子高生がいるようなところは、変に痴漢に仕立て上げられることがあるので、そういうところは中高年が利用するのは控えた方がよい。
3.サービスエリア
サービスエリアは結構穴場である。サービスエリアというのは高速道路に乗らないと利用できないところもあるが、中には高速道路に乗らなくても、一般道から入れるところがあり、そこに車を止めて、サービスエリアの施設を利用できるところがある。自分も失業しているときによく利用させてもらった。車は外れの所に止めて、ガラスには脱着可能な目隠し用の黒い日よけを貼り、車の中でデイトレードをして過ごしたことがある。車なのでテレビやラジオはあるし、スマホのテザリングでインターネットに接続してパソコンも使用できる。SUVタイプの車だったので、後ろのシートを倒し、下に何かやわらかいものを敷いておけば、昼寝をすることもできる。サービスエリアなので、トイレもコンビニもレストランもあるので、1日過ごすこともできる。しかし、ここにも注意する点がある。長い間駐車をしていると、どこからか監視をしているのか、通報するのかはわからないか、関係者が車のナンバーを控えに来るのである。やはり何か怪しいのであろう。毎日利用するのは控えた方がよいようである。
4.ショッピングモール
地方のショッピングモールであれば、駐車場が無料なので、長時間利用することができる。ここも、フードコートや自販機、トイレもあるので、1日中過ごすことができる。しかし、やはり同じショッピングセンターの同じ場所に毎日車を止めるのは控えた方がいい。近隣住民が勝手に駐車場にしていると疑われたり、車上生活者と疑われる可能性があるからである。ショッピングモールを利用すればいいじゃないか、と思われる人もいるかもしれないが、毎日同じ場所に同じ車が止まっていると、やはり不自然だし、客が訳も無く通報したりして、面倒なことに巻き込まれることもある。せめて毎日停める階や場所を変えるなどしたほうがよい。自分の場合も1階の広い駐車場の端っこの方に停めて、過ごしたことがあるが、1週間ぐらいして警備関係の人がナンバーを控えに来たことがあった。どこかでカメラで見ているか通報する人がいるのであろう。
5.大規模な公園
割と大きめの公園であれば、駐車場も広くトイレや自販機もあるので、弁当でも持って行って1日過ごすことができる。地域の小さな公園は駐車場があってもやめた方がいい。自分の場合小さな公園の駐車場に、職業訓練校の帰りの時間調整で、夜まで停車していたことがあったが、警察が来て窓をのぞきこまれたことがある。恐らく近隣住民か子供を連れたママ友グループが出入りしていたので、怪しいと思われ通報されたのだろう。
6.その他
コーヒーショップやハンバーガーショップを使えばいいじゃないかと思う人もいると思うが、お金を使っても問題ないのであればそれでもいいだろう。自分の場合はそういうところはあまり好きではない。テーブルとテーブルの間も狭いし、意味もなく沢山人がいるし、落ち着かないからである。むしろ、カラオケルームなどを利用した方がいいと考える。意外とお金をあまりかけないで時間を潰せるところは少ないが、他にも長時間は難しいが組み合わせれば時間を潰せるところがいくつかあるので自分が利用したことのあるところを紹介する。
公共のプールや公共のフィットネスジムは回数券等買えば、数百円で利用でき、シャワーや自販機コーナー等休憩場があるところもある。先ほども書いたがショッピングモールでも大きめのフードコートであれば、平日混んでいなければ、数時間位は水だけで利用できる。最近はスーパーにフードエリアがあったりするので1時間程度なら時間を潰せる。コンビニでも1フロアー丸ごとフードエリアがあるところもある。電気街など割と古めのビルの片隅にある自販機コーナーでも1時間程度なら休憩できる。
その他、最初費用はかかるのでおすすめしないが、大規模レジャー施設の年間パスポートや、近くに万博などが開催されればその年間パスポートなどを利用して、毎日通うこともできる。