人間だれしもコンプレックスを持って生きている。
不細工に生まれたから美人になりたいとか、頭が悪いから頭が良くなりたいとか、背が低いから高くなりたいとか色々あるだろう。
それが原因で、「あの人と同じことをやっているのになぜかうまくいかない」とか「あの人ばかり、いつもいい思いをしてうまくやっているのに、私は同じようにやっているのにうまくいかない」とか言う人がいる。本人にはその原因がなぜかがわからないのである。周りの人はわかっているが、誰も本人には言わない。人は皆生まれながらに平等というわけではないのだ。
例えば、生まれながらに美しい人は、努力しなくても人が自然に寄ってくるので、どこに行ってもすぐに友達ができる。変な人に近づかなければ、何かと世の中をうまく渡っていきやすい。勉強でも仕事でもそうだが、わからないことがあれば、先生や上司にやさしく丁寧に教えてもらえたり、何をやってもうまくいくことのほうが多い。だから人よりも早く覚えることができ、経験が豊富になり、能力も高くなりやすい。そうすると周りから色々と任せられたりして、さらに能力が上がっていく。
プロのスポーツ選手もそうである。トップクラスの選手は生まれつき何か有利なものを持っている。普通の人よりも長い脚を持っていたり、身長が外人並みに高かったりしている。普通の体格の人がいくら努力しても太刀打ちできない物を持っているのである。
だが、これらの生まれながらの能力を持っている人は、それ程多くはない。大多数は凡人なのである。だから、それほど気にすることはないのであるが、若いころは特に気にしてしまうのである。無いものは無いのである。出来ない物は出来ないのである。どうしようもないものはどうしようもないのである。とにかく、運命を受け入れるしかないのである。
多くの人はそんないいものを持っていないので、自分の得意な分野に特化して、ひたすら努力して勉強し、その分野で上位を目指すしかない。このようなものを1つだけではなく、違う分野で3以上持つことをが重要である。100人に一人の能力を3つ持てば、100の3乗なので100万人にひとりの価値になる。1つの目標に集中しすぎるのは危険なためだ。もしその1つの分野がこの世の中から必要無くなった時、もしくは自分がその分野で失敗した場合に、再び別の分野で再起できなくなってしまうからである。目標を設定する場合も、他に転用できるものでなければならない。例えば「通訳になる」ではなく、「100人いたら、自分はその中で英語の分野ではトップになる」と言う具合だ。通訳と言う仕事が完全に自動化されれば、途端に需要が無くなってしまうからである。「自分はコンピューターのPerlという言語ではトップになる」ではなく、「自分はプログラミングの分野では、人が100人いたらトップになる」ということである。
何も目標が見つからない人はとりあえず、普通に学校の勉強をして、なるべくいい大学を目指すことである。なるべくいい大学を目指したり、いい大学に入れば、周りにもレベルの高い人が集まるので、その環境が刺激になり新たな道が開ける可能性が高くなるからである。門戸は広く沢山持っていた方がいいに決まっている。