ブログを毎日書いているが、どうしても「ひとり情シス」のネタが多くなってくる。なるべくまんべんなく記事を書いているつもりだが、圧倒的にひとり情シスに携わる時間が長いので、仕方ないかもしれない。
今は「ひとり情シス」以外では「副業」が日経先物や仮想通貨に費やす時間が多く、来年には「旅行クレカ」が多くなってくるだろう。どうしてもマイブームのようなものがあるので、偏ってしまうようである。
「ひとり情シス」とはどういう意味かというと、たった一人で企業の情報システムの全体を支えている状態のことでその担当者のことを意味する。一般に大企業やある程度の規模の企業には情報システム部という部署があるのだが、中堅、中小零細企業になると、情報システム部を置く余裕がなく、ひとりで企業の情報システム全体を管理している場合がある。パソコンの詳しい人や得意な人が抜擢されて、兼務としてやらされている企業もある。元々情報システム部があったにも関わらず、経費削減、リストラにより、人数を減らされて最後の一人になってしまった会社もある。
自分は情報システムの仕事を何社も渡り歩いてきたが、5~6人の人数でシステムを支えていた会社もあるが、1人で別の業務と兼務でやっていたこともある。今の会社は兼務でも情報システムがメインという状態である。そのため、会社によって仕事の範囲が様々である。業者に任せられる比率によってその過酷さが違ってくる。今の会社は今までで最悪で、業者を殆ど使うことができない。何から何まで自分ひとりでやらなければならないのである。
仕事の範囲はITにかかわるすべての内容とホームページの管理や事務機器の管理、他部署の業務にまで及ぶ。情報システム関連の仕事としては、数百台に及ぶPCや数十台のサーバ、業務システムの運用と管理、サーバは普通の企業にあるようなDCサーバ、ファイルサーバ、DHCP、DNS、APサーバ、仮想サーバ、WSUS等のサービスも含まれる。WEBサーバはレンタルだが、複数のドメインを持っており、海外にも対応しなければならない。スキルとしてはサーバの他に、ネットワークではルーター、VPNやL2、L3の設定、ネットワークの配線まで含まれる。複数のデータベースサーバの管理、各種システムのサーバ管理、クラウドサーバ管理、セキュリティ管理、プログラム開発ではVB、C#、PHP、Rubyが多い。当然ホームページ管理もやっているのでHTML、CSS、JavaScriptも使う。今の会社では使っていないが、OPEN CVでC++やCGIのPerl、AIのTensorFlowでPythonとか使っていた。ヘルプデスクもこなさなければならないので、エクセルやワードの操作などくだらない質問にも答えなければならない。
何もかも一人でやらなければならないので、どうしても深く専門的に追及することができないのが、難点である。全てが中途半端になってしまうのだ。ただ、昔と違って仲間がいなくてもGoogle先生がいるので、問題に直面しても何とか解決できるようになったのはありがたい。少なくとも10数年前までは専門書を積み上げて仕事をしていた。最近はこんなことを何十年もやってきているので、自然と勘が身についているようで、どんな問題にも対応できるようになってしまった。
もし、ひとり情シスになりたいという人にアドバイスをすると、この仕事のスキルは経験しかない。上の写真のような本を読めば、何となくひとり情シスの仕事の一部は知ることができるが、実際は会社によって全然違うので色々な会社で場数を踏むことである。資格が必要な仕事ではないし、必ずしもIT企業出身者でなければできない仕事でもない。どちらかというとユーザーの目線で仕事をする形になる。
どうすればひとり情シスとして就職できるのかというと、これも具体的にどこの会社を受ければよいというものでもない。情報システム部門の募集だと、他に人がいるのでひとり情シスではない。店舗だとPOSの管理で支店を回ったり、物流だと自動倉庫の管理を含めた情シスとか、建設設備業だと、図面管理を含めた情シスだったり、本当に色々ある。小さい会社だと、社長の子供が担当していることもあり、でもその場合は業者を自由に使えるので楽だろう。ひとり情シスの仕事は運と言うか、なろうと思ってなったわけではなく、知らないうちにそうなってしまったと言ったほうがいいかもしれない。
ひとり情シスの立場だが、情報システムに一人しかいないので、上司がいるわけでも無いし部下がいるわけでもない。上といえば直接社長や取締役になることが多い。そのため、経営層との付き合いも必要になってくる会社もある。ただ、一般の社員からみると、遊んでいるようにしか見えない場合もある。Webで調べ事をしていても、仕事中にインターネットを見て遊んでいると思われたり、下手をすると仕事中にゲームをしているといううわさを流されることもある。経営層ですら理解していない場合も多いので、今までの経験から、仕事の量や内容、難易度の割には評価が低くなる傾向がある。