「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」が出た場合の対処方法最後の手段
1.現象
ある日パソコンの電源を入れ、外付けのHドライブを開こうとすると、
上のような画面が表示された。
この画面が表示されると、ある程度覚悟を決めなければならない。
今までにも何度か経験があるが、以前会社で自分のパソコンではないが、結構重要なデータが入っており、どうしても復旧させなければならないということで、データ復旧サービスに持っていき、復旧してもらったことがある。およそ2週間かかり、40万円かかるところ、クラウドサービスを契約することで25万円になるというので、そうしてもらった。本来重要なデータであればそういった有料サービスを使うしかないのだが、大したデータでもないのに何万円もお金を払うのはもったいない。
2.一般的な復旧方法を試す
今回はドライブ名は認識されているがディスクを開くことができないという状態である。
だからデータはそのまま中に残っているはずである。
ネットで調べると[Windowsシステムツール]-[コマンドプロンプト]で、
下のように入力(Hはドライブ名)してチェックディスクを行う等、色々な方法が書かれているが、うまくいった試しはない。
ディスクの構造が壊れているので、他のPCに繋いだりしてもダメ。恐らくOSを変えてもダメだろう。
使っているHDDはロジテックのLHD-2BRHU3でデフォルトのRAID1(同じデータを2つのHDDに書き込む)
で使用しており、マニュアルを見ると物理的に壊れているのであれば、壊れた方のディスクに赤いLEDが点くはずだが、ディスクにアクセスしている紫の点滅があるくらいで、壊れてはいないようである。
一応ケースを空けてディスクを2個取り出し、それぞれUSBで直付けにするアダプタをつけてPCとUSB接続したがやはりダメ。
市販のファイル復旧ソフトを使っても恐らく元のようなフォルダ構造は戻らないだろうし、ごちゃごちゃ触るとディスクの構造が変わって上書きされてしまい、あるはずのデータが壊れてどうしようも無くなる可能性がある。通常この手のものは先ほども書いたようにファイル復旧サービスに依頼するしかない。しかし、どうせ大したデータは入っていないので、今回は自力で復旧させることにした。
3.最終の復旧手段を試みる
1ヵ月位前のバックアップは取っているので、最悪1ヵ月データを失うだけなので、何とかなる。
ディスクは認識しているので、ディスクをクイックフォーマットして、ファイル復旧ソフトで復旧することにした。ネットでこれでファイルを取り戻した事例があったためである。一旦HDDを殺してから蘇生するようなものなので、そのまま逝ってしまう可能性も高い。この方法はギャンブルである。また、復旧したことを確認した後、有料となり、5,980円か8,980円を払わないと取り出せないようになっているので、復旧したデータにその価値があるかどうかを判断することになる。
(この方法はうまくいかずにデータが全て消えてしまうことがありますのでやられる方は自己責任でお願いします)
ディスクを右クリックし「クイックフォーマット」にチェックをつけて「開始」を押した。
クイックフォーマットにチェックをつけないと、
完全に物理フォーマットされてしまい、中身が取り出せなくなってしまうためである。
これでディスクは開けるようになったが、何も入っていない状態。
データ復活には今回、Wondershare の Recoverit を使用した。
昔DataRecoveryというものがありその後継のようで非常に性能がよかったためである。
https://recoverit.wondershare.jp/
ダウンロードファイル
recoverit_setup_full4139.exe
インストールはダブルクリックして画面の指示に従うだけである。
デスクトップにショートカットが出来た。
ここでエラーが出たドライブをLドライブとし、復元したデータをKドライブとした。復元したデータを保存する場所はエラーが出たドライブと異なるものにしないと上書きされて復元できなくなる恐れがあるためである。
起動するとこのような画面が表示される。
フォーマットデータ復元をクリック
故障したドライブ(今回はLドライブ)にチェックを付けて「開始」をクリックする。
ファイルの種類別に復元できる対象のファイルが表示されていく。(容量によって時間がかかりますが気長に待ちます)
復元したデータは下のようにプレビューできる。実はこのソフトを使う前にDataRecoveryを使ったり、途中で中断したり、HDDを外したりごちゃごちゃ触ってしまったので、一部は復元できなかった。故障したらできるだけ早く復元したほうがよさそうである。
プレビューはフォルダー別やファイル種別ごとに表示される。ここから復元したいデータにチェックをつけて「復元」を押して別のドライブにデータを保存するわけだが、ここからは有料となる。
「復元」を押すとこのような画面になる。今回はproを選択した。
「購入」をクリックすると、ダウンロード版で2020/08/10現在月間更新ライセンス5,980円か永久ライセンス8,980円のどちらかをクレジットカード、コンビニ決済、PayPal、銀行振り込みで支払う形になる。その際メールアドレスが必要になる。
その後表示される画面あるいはメールアドレスに登録コードが表示されるので、それをコピペすれば使えるようになる。
先ほども書いたが、復元を押した後、保存先のドライブは壊れたドライブ以外にすること。
今回は壊れたドライブがLで復元ファイルの保存先はKにした。
「復元」をしばらく放っておくと、チェックしたファイルが復元されていく。
今回は一部が復元できなかったが、壊れたらなるべく早く作業を行ったほうがよさそうだ。ただ、このやり方は最初クイックフォーマットをする裏技的なものなので、万一無くなってもいい場合にしか対応できない。