1.中高一貫校に入った後

中高一貫校に入ってもそれで勉強を辞めてしまっては元も子もない。よく聞くのが中高一貫校に入っても、そこで遊んでしまい、折角小学校の時に学年1番であってもどんどんと成績が下がってしまう生徒もいる。中学から高校、特に中学2年の時期が最も難しい。成長期でもあり、物凄く多感な時期なので、外部からの刺激には最も敏感である。中には芸能人になりたいとか野球やサッカーの選手になりたいとか自分の意志で行動するので、火が付くと中々止まらない。そのような世界でプロとして食べて行くにはもちろん遅いのだが、子供にはそんなことはわからない。結局もっとレベルの高い子がいて、いくら努力しても実らず、あきらめて人生をふいにする確率の方が高い。もちろん失敗しても実家が富裕層で食べていくには困らないとか、実家が会社を経営して、最悪そこで働けば何とでもなると言う人は別だ。というか、中高一貫校に行く生徒の多くはそういう家庭の子が多いので、それはそれで、いい経験になるかもしれないが、サラリーマンの子供には後がない。
もし東大京大早稲田慶応などの学歴というステイタスが欲しいのであれば、中高一貫校の生徒が通う塾も入ったほうがいい。これは学校にもよるが、塾に行かなくても大学受験用のカリキュラムを持っている学校なら不要だが、高いレベルの学校程そういったものは自主性にまかせているので無い場合が多い。塾と言っても普通の公立中学の生徒が通うような塾ではなく、中高一貫校の生徒が通う専門の塾がある。間違える人はいないと思うが、一応注意した方がよい。

2.中高一貫校の授業

中高一貫校では公立中学、高校に比べて進度が早い。学校によっても違うが、ここでは大学進学率の高い中高一貫校をターゲットにして書いている。トップクラスの中高一貫校は高校2年までには6年間の授業は終わる。もちろんもっと早い学校もあれば、3年生の1学期まで食い込む高校もある。
そして早く進んだ分、受験勉強に取り組む時間ができる。そもそも生徒は各小学校の学年トップレベルの生徒だったわけだから、そのレベルはものすごく高い。クラスの全員が各小学校の学年トップクラスなのである。その中でまた競争があり順位があるのである。勉強をおろそかにすれば直ぐに学年最低レベルまで落ちてしまうので注意が必要だ。大体入学して最初の方の順位がそのまま固定されていく傾向にある。そのため、最初のテストの成績は重要だ。まあ失敗しても最初は全員どんぐりの背比べだから、直ぐに挽回はできる。しかし長い間サボっていると、まじめに勉強した子と雲泥の差になってしまう。特に英語は受験では科目に無いので勉強している子は少ない、しかし中高一貫校では帰国子女も結構いるのだ。親も英語を話せたりする。そういったことから、中学入試が終わった後は直ぐに英語の勉強に取り掛からなければならない。
中高一貫校では扱う教科書も違う。例えば英語の教科書は公立の場合 NEW HORIZON、中高一貫校では PROGRESS と言った感じだ。数学なら公立は東京書籍や啓林館、中高一貫校は数研出版の体系数学だろう。それぞれ難易度が全然違う。
有名大学に進学するなら中高一貫校の教科書をベースに入試問題を検討するだろうから、教科書は重要である。

3.中高一貫校の行事

中高一貫校では行事も多い。文化祭、体育祭などの学校祭。社会科見学、修学旅行、林間学校、交換留学、登山、理科旅行など公立よりも様々な行事があり、豪華である。今はコロナ禍で行けなくなったが修学旅行は海外旅行だったりする。また学校には山の中に保養所のような研修施設を持っていたりして、部活や研修などの宿に使ったりすることも出来たりする。部活動も盛んだ。普通進学校だと勉強ばかりで部活は今一と言うイメージがあるが、そんなことはない。進学校でもオリンピック選手を輩出していたり、プロスポーツの選手で活躍していたりしている。中高一貫校は授業料も高いが多くを寄付で運営しているところもある。卒業生にも富裕層が多いので、寄付も結構集まるのである。中高一貫校でも一応中学と高校は分かれているので、中学の卒業式も行われる。直ぐに高校で会うのだが、一応やることになっているようだ。もちろん卒業アルバムもあるし、卒業証書も貰える。

4.大学受験

中高一貫校ではさらにその上の大学も併設しているところもある。大学のレベルが高ければそのままエスカレーター式に上がってもいいが、誰でも行けるわけではない。例えば全体の何%までに入っていなければいけないとか、通知表でいくつ以上ないといけないとか規定があることが多い。そのため、高校で遊んでいるわけにもいかない。
また、中高一貫校は大学の推薦もたくさん来る。もちろん誰でも貰えるわけではないのだが、ある程度の成績を維持していれば、どこかの推薦を貰えることもある。ただし、医学部とかランクの高い大学は別だ。通常、医学部の場合、国公立大学医学部に合格するためには、第一関門の大学入学共通テストで9割以上取る必要があり、普通に勉強しただけでは絶対に合格できない。
経営者や資産家等(以下支配層)の子供は共通テスト9割が難しいようなら、私立あるいは私立大医学部の学校推薦を狙う。学校推薦は経済的に豊かな家庭で無いと、推薦してもらえない。大学側も数千万円程度の大学債いわゆる寄付を期待しているので、強制ではないが、それが払えない家庭だと来年度から推薦枠が無くなってしまうため、高校側も慎重になる。また、私立の場合、大学によって○○会とか様々な特別な枠があり、ある程度の成績があればお金で入れるところもある。
中高一貫校の進学校にもよるが、医学部など超難関校を目指すのでなければ、旧帝(旧帝国大学)に入るくらいの実力はついている。高校2年生までにすべてのカリキュラムが終わっているので、公立組よりも1年余分に受験勉強ができるのである。公立高校を卒業して1年浪人した位のレベルになっていることになる。実際には中学受験も経験しているのでそれよりももっとレベルは上なのだ。

5.卒業後

大学入試が終わってそれぞれの大学に通うのだが、中高一貫校に通った生徒は6年間も同じ学校に通っていたので、仲間のようなものだ。公立のような変な先生もいないし、いじめも殆どない。6年間自分と同じレベルの生徒と一緒に過ごし、部活を行い、勉強し、青春を過ごしてきた。友達同士の絆も深く、大学に入っても、社会人になってもずっとその友達が続いていくのである。中高一貫校はサラリーマンには制限のある学校もあるのは事実だ。親の職業や親の面接が無い学校であれば、親の年収とか見ずに子供の実力だけで入れる学校と言うことになる。そういう学校を選ばなければ、子供にとって素晴らしい環境を与えることができる。そして、高いレベルの学歴と言うステータスが得られるのである。もちろん学費や制服など高校無償化の公立と比べると圧倒的に高い、年収が少ないと僅かな補助金が出るくらいだ。大学入学後の奨学金を申請することもできるが、殆どいないが10人から20人に1人位はいるので、全員金持ちというわけでもない。親は泥水をすすってでも子供に教育をしなければならないという言葉もある。極端な話ではあるが、親が子供に教育の機会を与えると言うのは重要なことではないだろうか。

おすすめの記事