ANAが退職金割り増しで、希望退職を募ることになった。冬のボーナスもゼロとなる。希望退職は常時実施しているが、退職金割り増しは2013年以来とのことだ。

海外の航空会社は軒並みリストラを実施しており、希望退職ではなく、いきなり解雇である。アメリカの場合、例えば勤務年数7年以下は解雇というような切り方をする。血も涙もない。

日本の場合、本当に会社がダメになると希望退職ではなく、いきなり解雇を言い渡されることもあるが、高齢者から首を切るという、結構残酷なことをする。アメリカの場合は人ではなくポジションで考えるので、例えばCAが500人いらないと経営判断すれば、先ほどの勤務年数7年以下は解雇というような形で選別され、本人に直接通知が行く。通知が来たものは、その日のうちに、場合によっては即時に片付けて会社を去る形になる。お別れ会とか挨拶とか何もない。それが普通である。日本の場合、法律で労働者の権利が守られているので、即時解雇はないが、恐らく次第にこのような形に近づいていくことになるだろう。

自分が昔勤めていた会社もリストラを実施した時、従業員を半分にするということになり、高齢者から順番に解雇を言い渡された。解雇を言い渡された人は、ずっと何十年も頑張ってやってきたのに、裏切られたというような感じであった。

まあ、ANAの場合は会社に残れるのなら、それ以上給料のもらえるところは少ないだろうから、辞めない方がいいし、もし、辞めたとしてもANAの社員なら優秀なので、給料は期待できないかもしれないが行くところはいくらでもある。

自分の場合仕事がIT関連なので、雇用形態がアメリカに近い部分がある。アメリカの会社は引き継ぎと言うものがない。日本でも会社にもよるだろうが、IT関係は基本的に引き継ぎというものがあまりない印象だ。自分の場合も前の人からの引き継ぎといっても1日程度、これはこうで、あれはああでと、簡単な話があっただけだ。そもそもそのポジションの人を雇いたいから雇ったわけだから、出来て当たり前、出来なかったら試用期間を待たずに終了である。これは美容師や看護師など専門職も同じだろう。

アメリカに引き継ぎがないのは、辞める社員が会社に報復することを恐れているからである。即退社しなければいけないというのも、辞める社員は何をするか、わからないからである。また新しい人が、新しいやり方で仕事をすることに、経営層が期待しているからでもある。つまり期待に応えられる人を人選して採用しているのである。

結局のところ、「あなたは何ができますか?」ということである。もし、それが直ぐにわからない場合は就職は厳しくなるだろうし、だれでもできるような仕事であれば、競争が激しく、中々仕事にありつけないであろう、あったとしても給料は安い。

日本は新卒一括採用がいまだに主流で、専門性を持たない人も多いので、「あなたは何ができますか?」と聞かれて、何も答えられないという人は結構いると思われる。仕事のあるうちに自分の専門性を磨き、別のブログの記事にも書いたが、100人いたらトップになるものを3つ持ち、希少価値を高めておく必要がある。既に仕事の無い人は、これも別のブログの記事に書いたが、自分の目指す方向を決め、自分の経験を拡大解釈して、場合によっては転職を繰り返し、目指す方向に向かってグレードアップしていく、ということになるだろう。

全員に共通することだが、サラリーマンというものは、理不尽な目に合うことも日常茶飯事である。そもそも、長い時間安い賃金で拘束されるのがサラリーマンである。だから自分の仕事とは別に、お金を稼ぐ手段を持つということをお勧めする。副業で時間を切り売りするようなアルバイトではなく、ビジネスモデルを作って、自分が経営者になるよう努力を積み重ねていくことも必要なのである。

おすすめの記事