新型コロナ関連の経営破綻件数は9月15日時点で、全国累計484件に達している。8月は64件、7月は80件だったので、今月は半月で既に43件発生しており、勢いを増している。

東京商工リサーチ

特に資金力の乏しい小・零細企業の勢いが増している。業種別では飲食業、アパレル関連製造販売、宿泊業が突出している。負債額100億円以上の大型倒産も3件あり、大企業まで経営破綻が広がっている。

経営が厳しくなるとリストラをしなくてはならないのだが、自分がかつて勤めていた会社では、どのようにリストラが実行されたのかを含めて簡単に紹介しよう。

自分の会社では、会社の製品とは全く関係のない仕事をし始めた。一応会社はむやみやたらに従業員を解雇することはできないので、経営改善を図るそぶりを見せないといけないのである。しかし、急にそんな新しい仕事を作っても売れるはずもなく、リストラは実行されることになる。

リストラは何度か行われた。1回行う度に社員を半分にしていく感じである。社員は1,000人以上いたが、最終的にはほぼ役員だけの会社にまでなってしまった。今考えるとすさまじい勢いである。

どこの会社にも常務取締役とか専務取締役とかがいるだろう。いわゆる経営層である。小さな会社だと直接代表取締役つまり、社長が粛々とリストラを実行していくことになる。

会社は各部署の権限のある管理職、つまり部長とか課長とか、残業をしてもしなくても給料が変わらない人が上司になっているはずである。彼らは普通の社員とは違い、どちらかというと経営層に近い。経営層から管理職に対し、リストラ対象者のリストを出させるのである。社員を半分にするわけだから同じ仕事をしている人のうち給料の高い人が選出されることになる。仕事の種類や技術の差などで給料だけでは決まらないケースもあるが、大体は給料の高い高齢者が選ばれることになる。

今の時代だとほぼ同じ給料をもらっているのであれば、上司や経営層の好き嫌いと、暇かどうかを見るために残業時間、有給の取得日数、ワクチン接種の休暇取得日数などを参考にどちらが暇かを判断し、さらに経営層は見てはいけないのだがストレスチェックや産業医の意見などを参考に何らかの理由を後付けして対象者を算出する。部長や課長などの役職者については元々給料にフル残業の金額が上乗せされているので、残業してもしなくてもフル残業代が支給されるのだが、もし残業に換算した場合何時間残業しているのかを見て暇かどうかを判断する。

そして、リストが出来たら、ある日突然面接が行われる。自分の勤めていた会社では「明日いくから」と役員の名前だけ書かれたFAXが夕方に送られてきた。普通のA4のFAXの送付状の真ん中に、割と大きめの字で怖い書体で手書きされていて、送信者は事務員の名前でいつもの何となくうれしそうな文字で書かれている。

「ついに来たか」ということで一人ずつ応接に呼ばれて、役員と1:1で面接をすることになる。内容は会社の経営が厳しいこと、今後会社が復活する見込みはないので会社に残っても無駄なことを伝えられ、もし残るのであれば何が出来るのかと、今後何をしてもらうのかが決まっていく。社内の雰囲気はこの世の終わりのような状況であった。こうやってリストラのリストが正しいのかを役員が確認していくのである。

結局はその2年後に事業所ごと閉鎖に追い込まれたので、生き残ったほうがよかったのか、その時辞めた方がよかったのか、どっちが正しかったのかはわからないが、それから色々苦労はしたが、今は前よりも良くはなっているので間違ってはいなかったのであろう。

まとめると、会社はリストラをする前に何らかの兆候があるので、それを見逃さないこと。そして、経営が厳しそうだと感じたら、有給を取るのは控え、やるべく休まないで、残業なども周りに合わせること。真面目に行動し、ふざけた発言は控えること。常に自分はこの会社のために何が出来るのかを考えること。リストラが実行される前には上司や管理職に、自分が会社にいると、こんなに会社にメリットがあるということをアピールすること。

それと同時に、もしそれでもリストラされた場合を想定して、次の行動への準備をすることも重要になってくる。

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